4x Arm® Cortex® A72 + 4GB DDR4コンピューティングモジュールの事例紹介
宇宙空間では、放射線が電子部品や電子システムに被害を与え故障や誤作動を引き起こす可能性があるため、これを考慮することが極めて重要です。重イオンや陽子などの高エネルギー粒子は電子機器のシングルイベント効果(SEE)を引き起こす可能性があり、その結果、電子機器の性能が一時的または恒久的に変化することがあります。さらに、長期間に渡る放射線被曝によって電子部品や電子システムが劣化し、時間の経過とともに信頼性と性能が低下します。宇宙システムの設計や試験において放射線の影響を考慮することは、宇宙空間の過酷な放射線環境で適切な機能と長寿命を保証するために不可欠です。
次世代宇宙システムでは、配慮しなければならないミッションプロファイル(軌道、宇宙空間における寿命、衛星の冗長性・配置)とともに、現代のユースケース(リアルタイム画像・映像処理、科学データ分析、通信、自律運用、人工知能、航空電子工学)に対応するため、より高いコンピューティング性能が必要になります。高いコンピューティング性能は従来の耐放射線性強化を施したデバイスでは実現できないため、設計者は耐放射線強化を施していない産業市場で使用されているより標準的なコンピューティングソリューションの採用を検討すると同時に放射線環境下でも安全に十分な期間機能できることを保証する必要があります。
Teledyne e2vは、Arm® Cortex®-A72プロセッサや高速DDR4メモリなど、計算集約型の耐放射線デジタル処理ソリューションを提供しています。QLS1046-Spaceは、これらの独立したコンポーネントをベースにした高度に最適化された耐放射線性モジュールです。
本記事の最初のセクションでは、Teledyne e2vが採用した高速デジタル処理ソリューションの耐放射線テストと完全な耐放射線特性評価の方針について説明します。次に、QLS1046-Space製品とその宇宙空間専用機能について紹介します。その後、QLS1046-Spaceに適用される放射線試験の構成と実施方法について、重イオン、陽子、TID、緩和について得られた結果とともに紹介します。
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