衛星軌道上でのマイクロプロセッサとFPGAによる エッジ・コンピューティング
この記事は、SpacechipsのCEO兼創立者、ラジャン・ベディ博士が寄稿したものです。
衛星オペレーターが扱うデータ量は日々増えてきており、大量のデータをクラウドにダウンリンクして地上で後処理するのではなく、衛星側で付加価値のあるデータ処理が行われることを望んでいます。既存の宇宙グレードの半導体技術やRF帯域幅の制約により、リアルタイムで処理できるデータ量が限られます。また、ダウンリンクのニーズがITU規制に反するためにこれらの理由でミッションの野心を捨てなければならなかったお客様を何人か知っています。
エッジのようにできる限りデータソースの近くで演算処理を行う機器は、複数のセンサーから送られてくる大量の情報をリアルタイム処理できますが、厳しい環境条件、小型化、低消費電力化が求められます。衛星軌道上で分析処理をすることで、RFダウンリンクの伝送遅延と帯域幅が大幅に削減されます。データ処理の重心を生データの起点側に効率的に移しているのです。
本投稿では、エッジにおけるマイクロプロセッサとFPGAによるプロセシングについて議論したいと思います。あるアプリケーションでは、RF、LIDAR、イメージング、GNSSなど、さまざまな帯域幅を持つ複数のセンサーから大量のデータを取り込みます。また、リアルタイムで重要な決定 (例: 衛星の状況監視向けのオブジェクトの認識と分類。つまり、味方/敵の区別、宇宙ごみ衝突回避、高解像度ビデオ地球観測、宇宙探査の現場利用、資源利用) を下さなければなりません。また機械学習技術を利用して軌道上の分析を抜き出す自律的なオンボードプロセシングの傾向も高まっています。
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