先進的な光デジタルハーネス(ODH)により 新たなマルチエレメントのマイクロ波アンテナを実現へ
データ、クロック、制御信号、更にはシステム全体の同期信号を伝送するリンクにより、実用的なマルチエレメントのスマート・デジタルアンテナを実現
本ニュース・リリースのポイント
- サンプル・データ、リファレンスクロック、制御信号、同期信号を光ファイバー経由で送り、複雑なデジタル無線設計における信号分配を簡素化、ケーブル質量を削減
- 今後の無線システムでは銅線を完全に無くし、アーキテクチャ上の柔軟性を向上させつつクロストークやチャネル間の干渉を削減
- フロントエンドのアナログ設計とバックエンドのデジタル信号処理の分離を実現するコンセプトを実証し、フルデジタル・アンテナの時代へ
高速データインターフェースに対する画期的なアプローチをプロトタイプで実証
フランス、グルノーブル – 2022年8月8日 – ソフトウェアディファインド・マイクロ波システムの実現に向けた取り組みの一環として、Teledyne e2vはデジタル無線システム設計において、近い将来従来の銅線データリンクに置き換わりうる、光リンクテクノロジーのプロトタイプのプレビューを公開します。
この取り組みのメリットについて、戦略マーケティングディレクターのNicolas Chantier氏は次のように述べています。
「当社が推進する光データリンク研究において、ソフトウェア無線(SDR)の無線フロントエンドがバックエンドデジタル信号処理から分離できる時がついに来ました。これにより、実装の柔軟性やデジタルビームフォーミング技術の向上など、設計上の自由度が高まります。」
最新の高速データインターフェース
現在、主に2種類の銅線シリアルインターフェースが利用されています。業界標準のJESD204リンクと、その代替となるTeledyne e2vのライセンスフリーのESIstreamです。
サンプルシステムにおけるデータインターフェーシングは実装に慎重な検討が必要です。特に、並列化されたマルチチャネル(電子走査ビーム)システムにおいて、データサンプルの時間整合性を確保することが最大の課題となるでしょう。時間整合により信号位相情報を確保することで、受信信号の重要な空間情報が維持されます。
デジタルシステム固有の擬似ランダムな振る舞いである準安定状態によりクロスチャネル同期がさらに複雑化しています。これは慎重な設計をすることにより緩和することが可能です。
光データリンクは、今日の世界のブロードバンドバックボーンを支えていますが、無線フロントエンド設計において従来の銅線を置き換える試みは、これまでほとんどありませんでした。
ODHのメリット
光データリンクテクノロジーへの移行により、様々なシステム上のメリットが得られます。
- ロスレスの長距離伝送
- フロントエンド受信と信号処理システムを自由に分離
- EMIをゼロにし、クロストークや信号干渉を低減
- 重量削減
本テクノロジーの提供時期
ODHシステムは現在PoC(概念実証)段階です。Teledyne e2vは制御手法のデジタル設計を広範にシミュレーションし、現在、初のハードウェア実装が最終工程に入っています。当社はプロジェクトの進捗に伴い、今年および来年に数回にわたり最新情報を提供していく予定です。
関連リンク
マイクロ波ADC/DACのリモートアーキテクチャを実現するための、ディジタル光ハーネスPoCのデモ (teledyne-e2v.jpn.com)
Teledyne e2vについて
Teledyne e2vのイノベーションは、ヘルスケア、ライフサイエンス、宇宙、輸送、防衛、セキュリティ、産業用市場における発展をけん引しています。独自のアプローチで市場ニーズや用途ごとに直面する課題を正確に把握し、密接な連携を通じてお客様のシステムの価値を高める画期的な標準化製品やセミカスタム製品、完全カスタマイズソリューションを提供しています。
Teledyne e2vお問い合わせ先
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