防衛分野に対応した次世代半導体
•理想的な特性を持つプロセッサとデータコンバータのポートフォリオ
•民間航空宇宙用途に設計されたデバイスを、防衛用途のソリューションに転換
•高度な独自技術で、防衛産業に独自の価値を提供
主なアプリケーション:
防衛分野はOEMが設定する期待値が高いため、技術的に最も困難な市場となっています。このようなミッションクリティカルなアプリケーションに使用する半導体には、極めて高い性能と卓越した信頼性が要求されます。多くの場合、基板占有面積を最小限に抑えなければならないので、過剰な熱対策は必要ありません。また、無人航空機(UAV)などでは、パワーバジェットをできるだけ低く抑えることも重要です。
性能の限界に挑戦し続ける防衛用システム
レーダーも、最先端の半導体技術が要求される装置の一つです。従来の機械的に回転するレーダーだけでなく、フェーズドアレイ方式を採用したレーダーも登場しています。ビームフォーミングのためにエミッタを密集させたグリッドを使用しますが、これにより航空機(特に戦闘機)などの空間的に制約のある環境でも、レーダーシステムの組み込みがしやすくなります。フェーズドアレイ方式を採用することで、レーダー信号が傍受される可能性は格段に低くなります。また、信号が周波数帯の全域に分散されるため、通信妨害がより困難になります。さらに可動部がないため、機械的な故障の心配もありません。これらのアレイの各送受信素子は高速動作に対応する高度な信号処理に対応する必要があります。
無線通信や信号伝送等の場合、優先順位は多少変わりますが、優れた性能への要求は変わりません。そのため、より広い帯域をデジタル化できる、瞬時帯域幅の広いデータ変換ICが求められています。逆に、ミサイルが指定した標的に当たらないようにするための対策などが必要になる電子戦の場合、データコンバータには極めて低いレイテンシが要求されます。
自律型兵器、誘導システム、画像認識などでは、マルチコアプロセッサのデバイスが必須です。また、決定論的な操作が必要な場合もあります。また、従来のレガシーシステムとの統合を考慮すると、インターフェイスの選択肢が多い方が好都合です。
信頼と実績のある防衛関連製品のサプライヤ
Teledyne e2vのプロセッサ、ADコンバータ(ADC)、DAコンバータ(DAC)は、防衛分野の大手OEMが設計・製造する機器に搭載されています。当社のグルノーブルの工場は、国際的に認められている軍事規格MIL-PRF-38535のクラスQ、V、Y認証を取得しており、当社は航空宇宙産業のAS9100にも完全準拠しています。半導体ライフサイクル管理を行うことで、コンポーネントの継続的な供給が長期的に保証され、製造中止の問題を軽減することができます。
製品の特徴
ミリタリ・グレードのQorIQ® P4080は、8個のe500mcプロセッサコアを備えています。それぞれ128kバイトのL2キャッシュを搭載しており、最大1.5GHzの速度で動作が可能です。このデバイスは、高度な演算処理およびI/O処理に特化したアプリケーション・シナリオに最適で、防衛および航空分野の双方で広く支持されています。Gbit Ethernet、I2C、PCI-Express、RapidIOコントローラ、DMAエンジンを搭載しており、様々なハードウェアとの接続が可能です。
QorIQ® T4240は、12個のデュアルスレッドe6500コアを搭載し、4つのコアをグループ化して2MバイトのL2キャッシュを共有することで性能を高めています。またこのデバイスは、1.8GHzという高速動作を実現しています。64ビットDDR3L SDRAMメモリコントローラを3つ内蔵し、毎秒1866Mの転送速度での動作をサポートしています。正規表現パターンマッチングアクセラレーション機能により、グラフィックス処理や画像認識タスクで大きな効果を発揮しています。また、SATA、1/10Gbit Ethernet、PCI-Express、USB2.0、eSPIなどのインターフェイスも搭載しています。動作温度は-55°C~125°Cと、広い温度範囲をカバーしています。
PC5674は、防衛車両のエンジン制御などで利用されることを想定しており、強力な演算性能と極めて低いレイテンシでの動作を両立し、最小限のパワーバジェットを実現しています。この2コアのデバイスはDO-254に準拠し、航空機の設計にも適しています。264MHzで動作可能なe200z7コアのペアを中心に、4Mバイトのフラッシュメモリと256kバイトのデータRAMを内蔵しており、いずれもエラー訂正コード(ECC)機能を備えています。CANインターフェイスも搭載しています。
T1014 QorIQ®は、軍事および民間航空宇宙分野のミッションクリティカルなシステムを主な対象としており、64ビットのe5500コアを1つ搭載しています。主な機能として、トランザクションの優先順位付け、帯域幅の割り当て、輻輳管理があります。これを補完するのが、T1024 QorIQ®デュアルコアデバイスです。T1014と同じ機能でフットプリントも互換性があり、23mm×23mmの780ボールBGAパッケージで提供されます。
Qormino® QT1040は、4つの64ビットe5500コアを搭載しており、4つそれぞれに備わった専用の256kバイトL2キャッシュによって業界最高レベルのデータパスアクセラレーションを提供します。動作速度は1.4GHzまで対応しています。4GBのECC機能付きDDR4メモリリソースに加え、USB2.0、eSPI、I2C、SATA、Gbit Ethernet、PCI-Expressなど、豊富なI/Oオプションを搭載しています。本製品は44mm×26mmのパッケージに収められており、狭い場所での配置が可能です。主な用途としては、レーダー装置や画像認識システムなどが挙げられます。これを補完するのが、T1040 QorIQです。これは、マルチコアの処理能力は同じですが、DDRメモリは搭載していません。
これらのデバイスは毎秒12Gサンプルの動作に対応しています。25GHzの出力帯域幅では3dBの減衰、30GHzでも比較的小さな減衰にとどまっています。プログラマブルな逆sincフィルタリング、ダイレクト・デジタル・シンセシス(DDS)、デジタルアップコンバージョン(DUC)などの機能が内蔵されています。
EV12AQ600は、ソフトウェア定義マイクロ波(SDM)、高速データ取得、LiDARアプリケーションをサポートできる、4チャンネル12ビット分解能のADCです。サンプリングの速度は毎秒6.4Gサンプルです。クロスポイントスイッチを内蔵しているので、この数字を1チャンネルに割り当てることも、4チャンネルに分散して割り当てることも可能です。
EV12AS200は1チャンネル12ビット分解能のADCで、毎秒1.5Gサンプルで動作し、歪みも低く抑えられています。入力帯域幅は2.3GHzで、Lバンドでの直接サンプリングに使用できます。さまざまな用途に利用されており、無線通信やレーダー装置にも使用されています。
EV12DS4xxは、7GHzの出力帯域幅により、Kバンドまでの直接サンプリングに対応したDACファミリーです。最大で毎秒8Gサンプルのサンプルレートを実現し、26.5GHzの周波数までクリーンな信号生成が可能です。EV12DS480は、非常に低いレイテンシを提供できる、最新のファミリー製品です。7.5GHz出力の12ビットDACで、多重化機能(4:1または2:1の比率)を選択できます。本デバイスは15mm×15mmのパッケージに収められています。
EV12DS130xZPは、7GHzの出力帯域幅を持つ、毎秒3Gサンプルの12ビットDACです。EV12DS480デバイスと同様に、マルチプレクサの比率は4:1または2:1のいずれかに設定できます。出力モードが異なるため、占有ナイキストゾーンに合わせて性能を最適化することができます。主な用途としては、レーダー装置や電子戦システムなどがあります。
EV10AS180Aは1チャンネル10ビット分解能のADCで、サンプルレートは毎秒1.5Gサンプルです。このデバイスは、レーダー装置や衛星通信システムで実績を上げています。フロントエンドのトラック&ホールドステージとアナログ量子化器を搭載しています。
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