Teledyne e2vは、宇宙機器へのQuad ARM® Cortex® A72を導入を後押しします。
Teledyne e2vの耐放射線宇宙用プロセッサは、スタンドアローンプロセッサとしてもQormino共通プラットフォームとしてもご利用になれます。
今日の宇宙機器の演算処理アプリケーションには、共通する大きな課題があります。
それは、宇宙環境で非常に複雑でパワフルなデータプロセッシングを実行しながら、同時に耐放射性性能を充分に備えてかつ
ペイロードのSWaPを低減するにはどうしたらいいだろうか、ということです(SWaPはサイズ、重量、電力を指します。ここでは
少なくとも計算機プラットフォームの限られた電力消費量を意味します)。これに加えて、宇宙システム設計者が納得できるよう
な宇宙での実績または少なくとも十分な利点、そしてリスク低減が必要になります。
耐放射線宇宙用プロセッサの設計、認証取得、出荷において長年の実績のあるTeledyne e2vは、ペイロードなどの宇宙機器に使用できる2種類のARM®ベースの計算を重視したマイクロプロセッサを市場に投入致します。
- LS1046-Space。宇宙用として認定されたNXP LS1046マイクロプロセッサ(1.8GHzクアッドコアARM®Cortex®A72)
- QLS1046-4GB-Space。Teledyne e2vの宇宙機器用のQormino® Common Computer Platform。Teledyne e2vが専用基板に、NXP LS1046および4GBのDDR4を実装しています。
宇宙においてよりパワフルなデータプロセッシングソリューションが必要となる理由には以下のようなものが考えられます。
- オンボード・データプロセッシングの必要性
- オンボード・データプロセッシングに対する要求事項の増加
- より正確な計算能力
- サービス品質の向上
- 観測能力の増大
Teledyne e2vは、以下の宇宙用途における関心の高まりを予想しています。
- 通信衛星(民生および軍事)
- 観測衛星、気象衛星
- キューブサットおよび衛星コンステレーション
- 科学ミッション
- 短期宇宙ミッション
LEO(低軌道衛星)、GEO(静止軌道衛星)と共に有人宇宙ミッションにおいても、これらの新規ソリューションに関心を示して頂けるかもしれません。
ARMベースのマイクロプロセッサソリューションを宇宙機器で採用することで、以下の複数のメリットを得ることができます。
- 常により低い電力消費で、より高い演算能力を得ることができます。
- ソフトウェアで実現できる処理が増えることによって、新しいタイプのアプリケーションを開発することができます。
- より充実したソフトウェア・エコシステムによって開発リードタイムの短縮化/最適化できます。
- 特にQorminoプラットフォームでは、最適化されたペイロードSwaPを実現できます。
Qormino耐放射線対応プラットフォームは、プロセッサとDDR4の接続が既にされていますので、ユーザー様はコンピューティング能力の恩恵を受けるのに加えて開発期間を短縮でいるというアドバンテージを得ることができるでしょう。
これに加えて、Qorminoは完成されたコンピューティング・プラットフォームですので、ユーザー様が開発されるプラットフォームのリファレンスとして御活用頂くこともできます。
Teledyne e2vの宇宙認定フローを詳しく見てみましょう。
Teledyne e2vは現在2種類の耐放射線宇宙用マイクロプロセッサを提供しています。
- セラミック非密封性フリップチップ・ソリューション
- オーガニックパッケージ・ソリューション
どちらも複雑なTeledyne e2v宇宙認証ステップに従います。宇宙認証フローについて詳細を知りたい場合、無料ポスターをご希望の場合はここをクリックしてください。
両者の主要な違いは、以下のとおりです。セラミック非密封性フリップチップ・ソリューションは、QML-Y標準(ベア・ダイ、カラムオプションをTeledyne e2vがセラミックパッケージにパッケージングします)に対応します。一方、オーガニックパッケージ・ソリューションはアップスクリーンされた商用デバイスであり、ECSS/NASA宇宙認定に対応します。
現在、Teledyne e2vの耐放射線宇宙用マイクロプロセッサは、4種類の耐放射線デバイスで出荷実績、実際に宇宙空間に投入されて機能している実績があります。
- セラミック非密封性フリップ・ソリューションにおける、NXP PC8548およびPC7448の宇宙認証品
- NXP P2020およびP5020の宇宙認証品
Teledyne e2v Qormino製品のDO-254セーフティクリティカル・データパッケージ
RTCA/DO-254、Design Assurance Guidance for Airborne Electronic Hardware (航空機搭載電子ハードウェア用設計保証ガイダンス)は、航空機に搭載する電子ハードウェアの開発ガイダンスを記述した、RTCAが発行している文書です。
DO-254基準は、航空機に搭載する複雑なハードウェアシステムを設計するための開発プロセスを体系的に提供しています。本基準は、様々なタイプのCOTSデバイス(市販部品)の使用も許容しています。また、システムの様々な安全レベルが定義されており、それはDAL(開発保証レベル)と呼ばれます。セーフティクリティカルレベルは5段階で、A(最重要レベル:システム不具合の場合、壊滅的)からE(飛行への重要な影響はなし)まであります。
Teledyne e2v Qorminoプラットフォーム・ソリューション
Teledyne e2vは、Qormino® solutionsでもDO-254に関わってきました。航空宇宙と防衛の市場において、高信頼性マイクロプロセッサを販売してきた30年以上にわたる豊富な実績があるからです。
Qorminoは、Teledyne e2vのスマートで小型、そしてパワフルなコンピューティング・プラットフォームのコンセプトにしており、SWaP制限事項(サイズ、重量、電力)に対応するよう設計されています。
Qorminoの製品ラインアップの中には以下の製品もあります。
- QT1040-4GB:に4GBのDDR4メモリと1.4GHz の Quad PowerArchitecture® e5500コアを使用したT1040をTeledyne e2vの専用基板に実装し、64ビットメモリバスと8ビットのECC(エラー修正コード)で接続
- QLS1046-4GB:4GBのDDR4メモリと1.8GHzのQuad ARM® Cortex® A72を使用したLS1046を64ビットメモリバスと8ビットのECC(エラー修正コード)接続
Teledyne e2vはまた、異なるマイクロプロセッサとメモリを組み合わせたプラットフォームのカスタムモデルも取り扱っています。
Qorminoの主な特徴
- 小型回路基板(44 mm x 26 mm)に実装された高い性能
- システム開発時間、商品化までに要する時間の短縮
- 15年以上の継続利用を保証
Qorminoは航空機搭載用途に完全に対応していますが、それにとどまらず、ネットワーク分野、科学、防衛、工学分野にも適用することが可能です。QorminoはLinux共に、多くのRTOS(リアルタイムオペレーティング・システム)もサポートしています。
DO-254開発手法
DO-254は、システム開発(仕様、要求事項の決定、妥当性確認と検証、設計レポートなど)を行うために従うべき手法を提案しています。開発プロセスを円滑に進めるためには、さまざまな独立したチームがかかわる必要があります。
DO-254基準に適合させるためには、全ての仕様が全ての要求事項を満たさなければなりません。
- あらゆるシステム要求(インターフェース、タイミング、制限事項)を定義します。
- 定義したのち、すべての要求事項の妥当性を確認します。これにより、エラーが排除され、チームは、上流工程の曖昧さや、不正確または不完全なステートメントを検出することができます。
- 次のステップでは、すべての要求事項を検証します。インプリメンテーションが要求事項に適合していることを検証します。
- 妥当性の確認と検証が済んだ要求事項のみが実装されます。
このプロセスのすべての段階でコンフィグレーションの管理も必要になります。この目的は、アップデートまたは開発修正の把握かつ追跡し、ベースライン(リリースとアーカイブ)の管理、課題やバグ報告のを確実に把握するためです。最後に、独立したチームが監査行い、DO-254基準への適合性を確認します。
DO-254認定に加え、補足文書(EASA認定覚書SWEH001)があり、COTS使用のガイダンスを提供しています。このガイドラインでは、最大で16項目に及ぶ作業を完了することで、目標とするDALと製品サービス経験(飛行実績)に従う方法が説明されています。
これらの作業の結果は、もう一方の文書、電子部品管理報告書(ECMR)に記載する必要があります。この報告書は認定機関に提出され、EASA認定覚書で要求されるすべての規則やガイドラインにシステムが適合していることを証明します。要求があれば、システム申請者はすべての文書、計画書、報告書を提出し、DO-254で定義されたプロセスに準拠していることを証明することができます。
Qorminoに関して更に詳しい情報が必要な場合、Qormino DO-254データパッケージに関して更に詳しい情報が必要な場合は、御連絡下さい。
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